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南米アマゾンで地上最強のドラッグ アヤワスカ体験

 アヤワスカって聞いたことありますか?旅をしている人なら聞いたことがあったり、興味があったり、なんなら経験したことのある人もいるかもしれません。ひょんなことからアヤワスカを知り、実際に体験してきたので紹介したいと思います。

きっかけ

 それまでドラッグに全く興味もなく、ドラッグを体験したこともありませんでした。そんな わたしが初めて興味を持ったのがアヤワスカです。

 きっかけは、富士山での山小屋バイトでした。わたしは 2年続けて夏に富士山の山小屋でバイトをしたのですが、1年目の時に年上の男性が同期としてアルバイトをしていて、その男性も2年続けてアルバイトをすることとなり1年ぶりに山小屋で再会しました。驚いたのは、その男性の人格が1年目に出会った時とは真逆のような性格に変わっていたのです。1年目の時の彼は いつも何かにイライラしている様子で、仕事が忙しい時には余裕がなくなってお客様とケンカしている時すらありました。2年目に再会した時には、マイペースで 争いを好まない穏やかな性格で 別人と言っていいほどに変わった彼がいました。

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 何が起こったのか興味を持った わたしは本人に直接 性格が激変した理由について尋ねました。そこで初めて耳にしたのがアヤワスカです。彼は 1年前の山小屋バイトの後に南米でアヤワスカ体験をして、アヤワスカの儀式で嘔吐した時に自分の中の黒い部分も一緒に体内から吐き出されたと話すのです。彼は もともと他のドラッグにも手を出したことがあるような人だったので そのアヤワスカの話も最初は あまり信じていませんでした。性格が変わったように見えたのも ドラッグの幻覚か何かの作用で、一時的なものなのかなぁと思っていました。

 

 山小屋のバイト期間は3か月近くあり、その間 彼は基本的には穏やかな性格ではあったのですが、体調が悪かったり 仕事が忙しい日々が続くと少しだけ以前の性格の彼が戻ってくることに気がつきました。彼は もともとの短気な性格が嫌で ずっと今のような穏やかな性格に憧れていて 、アヤワスカ体験によって なりたい自分になれたのだそうです。わたし からしてみれば、それは まだ解けない長い幻覚の世界に入り込んでいるようにも見えて とても不思議で興味深いものでした。そして、好奇心から 自分もアヤワスカを体験してみたいと思い 南米行きのフライトを予約しました。

アヤワスカとは

 南米アマゾン川流域に自生するツル状の植物の根をチャクルナという葉を煎じ煮出したエキスのことです。近年、欧米では西洋医学では完治が困難とされるガンや糖尿病、うつ病などの精神病、またアルコール中毒やヘロイン中毒を治療する代替療法として人気を集めているんだそうです。最近では、ウィルスミスが体験したことでもニュースになっていましたね。

 このアヤワスカには、幻覚・嘔吐作用のあるDMTと呼ばれる成分が含まれているため、日本では使用が禁止されています。ペルーでは国家文化遺産に指定されている神聖な飲み物で、昔から伝統儀式や治療などに用いられてきました。

 このアヤワスカを用いて、修行を積んだ現地のシャーマンが儀式を取り仕切り その効果を増幅させるとされています。

サンフランシスコ村へ

 わたしは、友人から聞いたサンフランシスコ村で儀式に参加することに決めました。まずは、サンフランシスコ村に辿り着くために プカルパを目指します。リマからTransmarという会社の長距離バスを利用して18時間かけてプカルパに移動します。道のりは結構険しいので、車酔いする人は用心しておいてください。わたしは、酔い止め薬を飲んで 爆睡してプカルパに翌朝7時に到着しました。

 

 到着したその足で、トゥクトゥクに乗って サンフランシスコ村に行きたいことを トゥクトゥクのおっちゃんに伝えます。すると 「今日は、ボートが出てるかどうかわからない。」とのこと。というのも、その日は すごい雨だったんです。それでも いいから1回行ってみてほしいと粘って交渉すると、渋々向かってもらえることに。天気予報によると、この先 雨はさらに強くなって3日後ぐらいに やっと雨が弱まる予報になっていて、今日 移動できなかったら3日間はプカルパに滞在して サンフランシスコ村に移動できる日を待つことになりそうだったので 今日移動できるなら移動してしまいたかったのです。

 船着場に着くと サンフランシスコ村への船は出せるけど、雨が強いので安全は保証できないと。アマゾンの川に投げ出されても 困るし どうしようかと悩んでいると 雨が少し弱まってきた。そもそも川の水も増えているので 一時的に雨が弱まったからって何ら関係ないんですが、これは今 行ってこい!という事だなと勝手に解釈して ボートに乗ることに。意外にもスムーズにボートはすすんで、無事に対岸に辿り着けました。後から知ったのですが タクシーを使って プカルパからサンフランシスコ村までいける道があるんだそうで、それなら 何もわざわざ大雨の日にボートに乗って移動しなくても良かったなと思いました。

 わたしにアヤワスカを教えてくれた友人は、サンフランシスコ村にいるシャーマンを1人1人訪ねて この人だ!と思えた人のところで儀式をお願いしたと話してくれました。わたしには、アヤワスカ自体への興味はあっても「こうなりたい!」とか「こういう儀式を受けたい!」という強い気持ちはなかったので 1番有名どころのスイピーノという部落の施設で儀式を受けようと思い、サンフランシスコ村に着いたらスイピーノの施設を目指しました。スイピーノの施設は、サンフランシスコ村の1番奥にあるそうで ひたすらに奥まで突き進みます。思ったより遠かったけど、やっとそれらしき場所に到着。目印は、カラフルな羽根の鳥の絵が描かれた門です。

 中に入って少し進むと、施設内にいる青年に声をかけて アヤワスカの儀式を受けたいと伝えます。値段を交渉して1泊20ソル、儀式1回100ソルで アヤワスカの儀式を受けることに。明日の夜21時に儀式を受けるための部屋に来るようにと説明を受けます。食事についても 前日と当日は アヤワスカの効果を薄めてしまうため動物性の食事を取らず、当日の午後からは絶食にするようにとのこと。ちょうど 日本人のシャーマンが修行をしているから話をしてみるといいと話し、日本人のシャーマンが滞在している部屋に案内してくれました。

 

 青年が声をかけると、部屋から日本人の男性が出てきました。その男性は 異様な雰囲気を放っていて、少し怖ささえ覚えるほど。話しをてみると穏やかな人柄で、自分が どうしてここにいるのか、アヤワスカの持つ力について ゆっくりと話してくれました。その男性は数年前にアヤワスカの儀式のために 今いるスイピーノの施設を尋ねて儀式を受け、その後に1度日本に戻って もう1度儀式を受けるためにペルーにやって来たんだそう。そして、2回目に儀式を受けた時に アヤワスカに目覚めて 予定していたより長期滞在してしまい ビザが切れて1年以上スイピーノの施設に違法滞在していて、現在はシャーマンとしての修行を積んでいる最中なのだと話してくれました。最初に覚えた狂気的な雰囲気と怖さは間違ってなかったのかなと思いつつも、深くこの男性には関わらないことにして 一通り話をしたら自分が宿泊する部屋に戻って明日に備えることに。

アヤワスカ経験談

 いよいよ その夜を迎えました。説明してもらった通り、当日は りんご1個を午前中に食べたのみです。夜の21時より少し前に、儀式が行われる部屋に向かいます。そこには布団とブランケット、洗面器が用意されています。儀式の前に洗面所の場所を説明してくれ、儀式の途中で洗面所に行く際は 全員が音に敏感になっているので大きな音を立てないように気をつけるようにと説明を受けます。

 スイピーノの施設では 儀式は個別で行うのではなく、集団で行います。もし、個別で儀式を受けたければ個別で受けさせてくれるシャーマンも 同じ村の中にいるので 探してみてください。わたしを入れて6人で儀式を受けます。日本人はわたしだけで、他の5人はヨーロッパから来たアヤワスカを研究しているグループなんだそう。

 時間になると、シャーマンがやってきて真ん中に座ります。順番にアヤワスカをショットグラスのような小さい容器に注いでくれて シャーマンの合図でそれを一気に飲み干します。黒緑のような液体で、なんとも言えない味。全員が飲み終わったら儀式が始まり、シャーマンがイカロという歌を歌い始めます。この歌に、アヤワスカの効果を増幅させる効果があるんだとか。しばらく 何が自分の身に起こるんだろうと布団に横になってドキドキして待っていると、他の参加者たちが奇声をあげはじめました。 怖かったけど、今から逃げ出す訳にもいかず 腹を括って目を瞑っているも 何も起こらず、シャーマンがわたしの頭もとに来て、わたしにイカロの歌を歌います。それでも 何も起こらず、時間だけが経っていき シャーマンがアヤワスカをもう1杯飲むようにと促します。起き上がって アヤワスカを飲んで、奇声をあげたり、吐いたりしている他の参加者を観察して また横になると、 そのうち眠くなって 起きた時は早朝でした。シャーマンは もうそこには いませんでした。どうしたらいいのか分からずボーッとしていましたが、そのうち儀式の部屋を後にして自分の部屋へと戻ります。部屋でゴロゴロしていると 1人青年が訪ねてきて アヤワスカの儀式は本来 連続では受けられず、1日開けて受ける必要があるけど、昨日はアヤワスカの効果が得られなかったから また今日受けるといいと話してくれました。儀式の料金も安くしてくれるとのことで、連続して儀式を受けることに。

 

 夜になって 再び儀式が行われる部屋に向かい、時間になると 前日と同じ流れで儀式は進んでいきます。昨日と同様に効果がない わたしはシャーマンの指示でアヤワスカを追加でもう1杯飲むことに。少し気持ち悪くなって、少しだけ吐き戻しました。参加しているメンバーは昨日とは違う人たちでしたが、昨日と同じように 雄叫びをあげたり、吐き続けたりしています。ちょっと気持ち悪くなったので、横になって休んでいると また眠りについてしまい すっかり朝になっていました。他の参加者は まだ奇声をあげている人もいて、わたしには あまり効果がないのかもと思い、今日の午後に施設を後にすることを 施設の人に伝えます。

 

まとめ 

 期待していたような アヤワスカ体験はできず、ただただ眠っただけでした。アヤワスカには催眠作用もあって、そっちの方が幻覚作用よりも強くわたしに働いたのかもしれません。全く幻覚も見ることなく、1度少量だけ吐き戻しただけで 結局アワヤスカって何なんだろうと 分からずじまい。

 ただ、他の参加者が奇声をあげたりしているのを横で見ていて そういう風になりたい訳ではなく、儀式とか薬とかっていう割には 想像していたよりもドラック感が強かったので何もなくて良かった、わたしには必要なかったってことだ と割り切りました。それにしても、あの奇声の中で眠れたのだから 強い催眠作用があったことは間違いないのかも。

 これがわたしの最初で最後のドラッグ体験です。