まさか私がね。

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スペインでカミーノの巡礼800Kmを歩いた話

 わたしは、数年前にスペインにあるカミーノ・デ・サンティアゴという巡礼の道を歩いてきました。この道を歩くことを決めた時は、知っている人は知っているけれど、知らない人の方が断然多く、わたしも友人ににこの道のことを聞かされるまで、全く聞いたこともありませんでした。

 

 そんなわたしが、この道に惹かれて実際にこの道を歩いた経験をもとに、今から巡礼を考えている人のお役に少しでも立ててもらえたら嬉しいです。

カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼とは

 そもそも わたしは、この道について全く聞いたことがなく、スペインに巡礼の道があることを知りもしませんでした。カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼とは、簡単に言えばスペインの北西に位置する州都サンディアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路のことです。わたしが歩いたのは最も人気のあるフランス人の道と呼ばれる巡礼路です。この路以外にもスペインの南部から続く銀の道やポルトガルから続くポルトガル人の道など いくつも種類があります。もちろん 最初から最後まで1度に歩ききらなければいけない訳ではなく、どこから初めてもいいし、何分割してもいいです。ただ、100キロ以上を歩いた方だけ巡礼証明書をもらうことができます。

 

 わたしは、フランス人の道の途中にあるパンプローナという街から歩き始めて、サンディアゴ・デ・コンポステーラを超えて西海岸まで800キロを歩きました。

荷物について

 準備する荷物については日本語版の公式ホームページの中でも紹介してくれているので、わたしが実際に持っていて良かったものや悪かったものを紹介していきたいと思います。今は 公式のホームページがありますが、当時は 旅ブログを探したり、書籍を読んだりして荷物や工程を把握してから旅に出ました。ホームページを見てみましたが、わかりやすく まとめてくれてあって便利だし、何かわからないことがあったら問い合わせできる相手がいるのもいいですね。

camino-de-santiago.jp

 まず、わたしが1番後悔した荷物、それは靴です。雨の日も歩くこと、山道もあることを考えて、モンベルゴアテックスの登山靴を履いていきました。ゴアテックスの靴は、外からの防水機能が高い一方で 中の湿気も逃しにくく、晴れの日に長時間歩くと足がムレて足の指や裏にマメが大量にできてしまいました。そのマメが潰れて、 痛みでスムーズに歩けない日もあり、途中でゴアテックスの靴が原因の1つかもと気づき新しい靴を購入しましたが、毎日毎日歩き続けているので 1度できてしまったマメはなかなか良くならず、長い間 マメの痛みと戦いながらの巡礼になりました。

 軽登山靴で歩いている人もいましたが、中にはクロックスのサンダルやキーンのサンダルで歩いている人もいて、通気性もよくて普通のサンダルよりは足を守れるので いいチョイスだなと思いました。雨の日に、靴がビショビショに濡れてしまうことを心配してゴアテックスにしましたが、濡れた靴は乾かせばいいのです。スペインは、晴れの日はカラッと天気が良く、濡れた靴も薄手のものであれば すぐに乾くし、雨の日だったら どうせまた濡れるので 最初は気持ち悪いかもしれませんが乾ききってないまま履けばいいのです。濡れない靴より、乾きやすい靴を重視して靴を選ぶべきだったなと思います。

 マメの手当てをするのに 針と糸を使うので 途中で必要になったら購入すればいいのですが、持っていると すぐに対応できるので便利かと思います。わたしは、裁縫用に針と糸を持っていたので すぐに対処することができました。あとは、マメの予防にベビーパウダーを足に塗っている人もいて、わたしも途中で購入して塗り始めました。もう、その時にはマメが たくさんできていたので効果があったのかは分かりませんでしたが、使用している人達はマメができていないと話していたので、それなりの効果があるのだと思います。

 

 持っていって良かったものは、ポンチョです。雨対策としてモンベルゴアテックスのレインウェアの上下、ザックカバー、ポンチョを持っていきました。レインウェアとザックカバーだけでは、ハーネス部分を覆うものがなく濡れてしまい、長時間雨に濡れ続けたらザックカバーを付けていてもザックの中身にまで染み込んでしまうと思い購入しました。おかげで大雨の日でも 1度も中身の荷物が濡れずにすみました。あとは、防寒対策としても役に立ちました。わたしがカミーノを歩き始めたのは、5月上旬で朝晩はまだ冷えました 雨に濡れるとより冷えてしまい そのまま歩くのも苦痛でしたが ポンチョを着用することで雨の日でも ある程度の保温効果があって、ポンチョを持っていって良かったなと何度も思いました。

かかった費用

 およそ1ヶ月間でかかった費用は 航空券やパンプローナまでの移動費は含まず 10万円ほどでした。大きかったのは、物価が安くないスペインでカミーノの巡礼者が泊まれる宿であるアルベルゲに格安で泊まれることです。アルベルゲには公営アルベルゲと市営アルベルゲがあり 公営アルベルゲであれば5−10ユーロで宿泊することができ、市営アルベルゲでも15ユーロほどで宿泊できます。公営アルベルゲの中には 教会にドネーションで泊まれるところもありました。詳細は、クレデンシャルという巡礼手帳を最初に購入した時に アルベルゲの一覧表をくれるので、そこに値段や距離なども記載してくれいます。基本は早い者勝ちで、ベッドが埋まったら宿泊することはできないのですが 予約を受け付けているアルベルゲもあるそうで、予約している巡礼者もいました。

 食事は主に自炊をしていて、ドネーションで食事が付いているアルベルゲに宿泊する時にはドネーションをして 他の宿泊者全員と一緒に食事したり、他の巡礼者の人とシェアご飯をしたりもしました。自炊はこんな感じでパスタなどの簡単なものが多かったです。

 教会などでドネーションでの食事は、こんな感じでみんなで揃って食べます。賑やかで、普段はお話しない方とも話すことができて とっても楽しかったです。

 昼食には、まだアルベルゲに到着していないことが ほとんどだったので、天気のいい日は簡単なお弁当を持っていってピクニック気分でランチをするか 天気の悪い日は雨宿りがてら途中にあるカフェやレストランで食べました。お弁当は、サンドイッチや夕飯に残ったパスタをタッパーに詰めて持っていく 本当に簡単なものです。

 

 大きな街や名物料理のある街、料理する気力のない日には外食したり、夕食後に他の巡礼者と飲みに出かけたりもしました。

 フライパンやガスコンロなどの料理器具は基本的には持ち歩かず、アルベルゲのものを借りていました。調味料は アルベルゲによって共同で使えるものもありましたが、アルベルゲによって様々なので基本的な調味料は持ち歩いていました。

カミーノを歩いて良かったこと

 これだけ たくさんの国を旅していると、日本の友達から どの国が1番良かったかと聞かれることも多いですが、正直 愚問だと思います。どこの国にも、良いところと悪いところがあって どうゆう旅の目的かという視点によって全然答えが違います。ただ、色んなことを置いといて スペインのカミーノ巡礼がおすすめだよ と答えています。良いことも悪いことも、楽しいことも大変なこともギュッと詰まった人生みたいな道だと思っていて、いつか もう1度歩きたいなと本当に思うし、歩くだろうと思います。

 まず、自然が綺麗です。もちろん 都会の中を歩く時もあるし、道路沿いを歩くこともあります。だけど、山道を進むこともあれば、周りに建物もない広大な景色を楽しむこともでき、雨の日も晴れの日も どんな日も自然を体感しながら前に進むことができます。前も見えないような大雨に打たれて、自然の脅威を感じながら それでも前に進んだ日もありました。快晴の天気に恵まれて、木陰に座ってお弁当を食べて休憩した日もありました。どんな日も自然を楽しむことができるのがカミーノの魅力の1つだと思います。

 巡礼を通して、あれから何年も経つ今でも 連絡を取り合う友達ができました。最初は知っている人は誰もいなくても、大体 同じペースで歩く顔馴染みが出来ます。約1ヶ月もの間 ほぼ毎日顔を合わせて、同じ宿に泊まったり 食事を共にしたりするので 自然と仲良くなります。

 

 そして、わたしがカミーノを歩きたいと思った大きな理由でもある宗教。わたしは 一応は仏教徒なのですが、神様を信じる気持ちは薄く 争いを生み出す宗教への軽蔑すらありました。でも、こんなに多くの人が信じている宗教ってなんなんだろう?と思ったことが こんな巡礼者の道を歩くきっかけでした。教会でミサに参加したり、巡礼者の話を聞くなかで 私の宗教に対する印象は大きく変わりました。だからといって 宗教に入ろうとか そんな簡単な話ではないのですが、宗教を信じる気持ちをカミーノを歩くという体験の中で知ることができたことは 私の人生にとってかけがえのないものとなりました。

まとめ

 日本で定職についている人には、なかなか 1ヶ月をカミーノに捧げるのは難しいかと思いますが、転職のタイミングなどで時間を作れる方にはおすすめしたいです。わたしが今回歩いたのは800キロの距離でしたが、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで100キロ地点からカミーノに参加する人も増えます。歩くスピードにもよりますが、100キロであれば5日程度で歩くことができると思いますので、長期休暇がなかなか取れない方も歩きやすいのかなと思います。そして、時間のたくさんある旅人の方にはぜひ長い巡礼路を歩いてほしいです。