キューバといえば、チェ・ゲバラをはじめとする革命家と並んでクラシックカーを思い浮かべる方も多いと思います。今やキューバの名物のひとつとなっているアメ車が現役で今も活躍しているのには歴史的な背景がありました。
キューバにはアメ車がたくさん
クラシックカーが走る風景はどこを切り取っても絵になります。ただ少しがっかりしたのが、わたしは地元の人たちがクラシックカーに乗っているものだと思い込んでいました。実際にハバナでみたクラシックカーの8割が観光業に関わるタクシーやツアーに使用されていました。ちょっとイメージとは違ったものの、それでも見慣れぬクラシックカーは格好よかったです。ハバナ以外の地方に行くと、地元の人が乗っている姿もたくさん目にすることができました。
せっかくならアメ車のタクシーに乗ってみよう
移動の際に、2回だけクラシックカーのタクシーを利用しました。1度目は、トリニダーからバラデロまで向かう4時間ほどの道のりでした。普通のタクシーでもクラシックカーでも同じ値段だったので、せっかくならとクラシックカーで移動することにしました。乗り心地はというと、後部座席は乗り心地は良いと思います。シートは少し固めですが、しっかりしていてくつろげます。助手席は結構足元からの振動が強くって揺れますが、そんなに気になるほどではありませんでした。隣の運転手さんと真ん中にも地元の人が乗っていたのですが、とても陽気に話しかけてくれて、スペイン語が分からなくっても何だか楽しかったです。
わたしは参加してないのですが、ハバナではクラシックカーに乗って革命広場などの観光名所を巡るツアーがあるそうで、1時間40CUCで乗車できたと旅人から聞きました。何人かで乗れば、1人当たりそんなに高くなく 観光名所も巡れてお得かもしれないですね。
そもそもなんでアメ車があるの?
それでは本題ですが、キューバにクラシックカーが現在も現役で走っているのには歴史的な背景があります。
キューバがスペインの支配下から米西戦争を経てアメリカ統治下となった1898年からキューバ革命が起こる1959年の間は アメリカ企業がキューバの産業を牛耳っていて、キューバにはアメリカの富裕層がたくさん住んでいました。その後 1959年におこったキューバ革命を機に樹立したカストロ政権の政策がアメリカ企業やアメリカが所有していた土地のキューバへの国営化を行ったことで、アメリカとの国交は悪化し1961年にアメリカはキューバとの国交断絶を宣言します。これを期に、富裕層たちは車や別荘をキューバに残したままアメリカへと帰っていきました。さらに、国交の断絶による経済封鎖により 車をはじめとする工業製品や鉄などの材料をアメリカから輸入することができなくなり、キューバは国内での車の生産が困難となりました。
そこで、アメリカ人によって残された車や1961年以前に輸入していた車を修理しながら使用していくことしか 道が残っていなかったのです。そういった背景からキューバの街では今もたくさんのクラシックカーを目にすることができるのだそうです。
まとめ
そんな背景を知りながらキューバで今も走るクラシックカーを眺めると、またひとつ情緒のある風景に見えてきます。今や、クラシックカーはキューバの名物の1つともなっていて、キューバの観光業を大きく支えていることと思います。過酷な歴史が残したキューバにおける大きな財産と言えるでしょう。
車のことなんて ちんぷんかんぷんな私でさえ、クラシックカーを最初に見た時は嬉しくって、テンションが上がって写真をたくさん撮りました。きっと、車が大好きな人にとってみれば、憧れの地の1つですよね。