まさか私がね。

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カナダのユーコン川をカヌーで下るの巻 〜雨の次は暴風 Day7 、Day8〜

 雨の次には、これでもかというくらいの強風に襲われます。なかなか普通の生活をしていて川の真ん中で土砂降りに打たれ続けることもなければ、暴風のなかで風に立ち向かうこともないと思うと 本当に貴重な体験をさせてもらっているなぁと 前向きな気持ちにすらなります。

DAY7 雨 走行距離68km

  予想通りこの日も雨の音で目を覚ましました。これで3日間連続で雨だと思うと少し憂鬱な気持ちになりつつ、10時頃に出発。その日は 今までにない豪雨で、ゴアテックスのレインウェア上下に防水のポンチョを着ていても お昼過ぎには全身びしょ濡れになりました。

 

 昼食を兼ねて、暖を取ろうとGoodCampとPotentialCampにそれぞれ止まって火起こしに挑戦しますが、強い風と雨の中では着火剤を駆使しても火を起こせずに体が震えます。体の中だけでも温めようとガスバーナーで うどんを料理して食べることに。食べている間も、何とか火を起こせないかとクッキングペーパーに油を染み込ませたりして粘ってみるが、付きそうで付かず。これだったらまだカヌーを漕いでいる方が体が動いているので暖かいかもと 火起こしは諦めて再出発。

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 この日も夕方17時を過ぎた頃に、雨が止みました。1日中豪雨でもカヌーを漕ぎ続けて頑張ったので、この日は 89km地点のGoodCampで早めに休みます。このGoodCampには、薪がいくつか準備してくれてある上にその薪が置いている場所に小さな屋根があって、風と雨に長時間さらされていたので 湿ってはいましたがビショビショに濡れていないだけでもありがたい。雨は止んで、風もほぼなくなっていたので 火を付けることができました。火を起こせた後はその周りにその辺で拾った 木を並べて乾かしておいて、自分たちが寝る時間まで火を絶やすことがないようにしました。火の力って本当にすごい、冷えていた体がポカポカと温まります。

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 濡れている服は着替えて、レインウェアや靴下、長くつなども焚き火の周りで乾かします。たまにパラッと雨が降ることがあっても、本降りにはならず ゆっくり休むことができて有り難かたい。夜はトマト缶とシチューのルーを使ってトマトクリームパスタを作って満腹で眠りにつきます。

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DAY8 暴風 走行距離36km

 朝5時頃に雨の音で目を覚まして、「あぁ今日も雨か」と思いながら もう1度眠って、再び目を覚ました8時には雨は止んでいました。ただ、風が昨日よりもずっと強くて雨は降っていないのに、体が芯から冷えます。

 支度をして9時半ごろに出発し、10kmほど進んだところで風がどんどん強くなっていって カヌーが風に押されているのが分かります。風の当たり所が悪いと カヌーが激しく揺れて このまま横転してしまうかもとすら思いました。風でカヌーがビクともしないでいると、そのまま逆方向にカヌーが流されて押し付けられるようにして右岸にカヌーが動きます。風はおさまる気配はなく このままカヌーを漕ぐのは危険だと判断して陸に上がって木に身を寄せる形で風が落ち着くのを待つことに。カーマックスに着いてから この日の風の強さを調べて見たら何と風速35メートルもあったんだそう、確かに立っていることも難しいほどの強風でした。

 

 風が強いので体がどんどん凍えていきます。風を遮るためと保温のためにブルーシートで自分たちを囲って、風が落ち着くのを待ちます。待っている間にバーナーでインスタントヌードルを作って食べたり、トランプやヌメロンをして時間を潰します。

 2時間ちかく待っていると 少しだけ風が弱まってきたものの まだカヌーを漕ぐには風が強すぎるのかなぁと迷っているところに、対岸に ゆっくりゆーっくりと進む1台のカヌーを発見。その姿に元気をもらい わたし達も出発することに。といっても、わたし達が押し付けられている右岸は風が直に当たるところだったので、カヌーに乗ってもビクともしません。なので、1人がカヌーに乗って大きい石を避けたるように舵を取って、もう1人が岸からカヌーを引っ張ることにしました。何とか直に風が当たるゾーンを抜けると、2人でカヌーに乗って ゆっくりと漕ぎ出すことができました。

 風が吹いている方向側の岸に寄って漕ぐと、岸の木々が風を遮ってくれるので少し風を緩和できました。といっても、風に押されて進むスピードは本当にゆっくり。その後も、少しずつ風が強い日のカヌーの漕ぎ方のコツを掴みながら頑張りますが、風の抵抗を受けながらカヌーを漕いでいると肩や腰が疲れて筋肉痛のような痛みが持続するうえに、強い風に身をさらしていると体が冷えきります。本当は、今日進めるところまで進んで、次の日の午前中にはカーマックスに到着できればいいなぁと思っていたのですが、無理は禁物ということで 53km地点あたりにあるGoodCampで早めに休むことに決めます。夜は野菜カレーを作って食べます。

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まとめ

 毎日 雨に打たれて、そろそろ心が折れるかもなぁと思ったところで この暴風に襲われると、変なもので 逆に負けるかと逞しい気持ちすら湧いてきました。

 今回 わたし達が経験したほどの暴風は滅多にない珍しいことらしいので 心配しすぎないでも大丈夫だとは思いますが、自然が相手なので 本当に何が起こるか分からない。こういう事もあるかもしれない と頭の片隅にでも置いておいてください。