わたしが定職を辞めた理由の1つに東北大震災のボランティアに参加したいという思いがありました。震災 当時、わたしは大学卒業が決まり そのまま就職して自分のことでいっぱいいっぱいになってボランティアへの参加に行動を移す心の余裕がありませんでした。
自分が物心ついてから一番大きい災害を前に 何もできなかったことをずっと悔やんでいたので、仕事をやめるタイミングで東北の知人の家に1ヶ月間滞在して ボランティアのお手伝いをさせていただくことになりました。
わたしが東北大震災のボランティアへの参加を決めた時には、震災から5年以上が経っていました。まだボランティアとして できることは残っているのかなと思っていましたが、瓦礫撤去などといった 震災初期に必要となるボランティアの需要はありませんが、こんなに まだできることが残っているんだと気を引き締めたのを覚えています。
わたしが、実際に東北で参加してきたボランティアについて紹介していくので、ボランティアへの参加を検討している方は参加にしていただけたら幸いです。
特定非営利活動法人 おもいでかえる
震災時に瓦礫の中に埋もれていたり、津波に流されてしまった 思い出の写真を被災した持ち主にお返しするという仙台市を拠点とした活動です。こちらは、東北大震災へのボランティアをきっかけに立ち上がった団体ですが、東北大震災だけに関わらず日本全国から水害によって汚れてしまった写真の修復も行なってくれます。
集められた写真を綺麗に洗浄・修復して、その写真の中から誰の写真であったか特定できるヒントを探し出して、定期的に返却会を開いて 元の持ち主のもとに戻すといった活動です。現在までに11万枚の写真が、被災者のもとに戻っていったそうです。
写真には、思い出がたくさん詰まっています。生活支援が進んでいく中で、置き去りにされてしまいがちな気持ちの部分に寄り添った大切なボランティア活動だと思いました。作業は、難しいものはなく 代表の方やずっとボランティアとして通われている方が分かりやすく説明してくれるので、すぐに作業に取りかかることができました
NPO法人 SORAアニマルシェルター
震災で帰る場所がなくなった犬猫などを対象としたアニマルシェルターです。被災した飼い主家族が住んでいた場所へ帰ることができない、新しい生活が整わず 犬や猫たちと一緒に住める環境を作ることができないという思いを受け止めて アニマルシェルターにて飼い主家族の環境が整うまでの間保護。飼い主家族が見つからないままの 犬や猫たちには、安全・安心な暮らしを提供しながら 新しい家族を見つける活動を続けています。
わたしがボランティアに参加した時には、50匹近くの犬や猫がアニマルシェルターで暮らしていて 1名のスタッフの方とボランティアで 日々のお世話を行なっていました。犬は毎日の散歩が必要なので、ボランティアが代わりばんこに散歩に出かけて その間に掃除や食事の準備など身の回りのことを お世話します。
震災から10年が経った今も、飼い主・里親がみつからない犬や猫が こちらにて保護されて、生活されているそうです。支援金・寄付金なども使った 犬や猫の支援ということで賛否両論があることとは思いますが、もし疑問を抱く方がいれば 実際にボランティアに参加して自分の目で見て その先に思うことを大切にしてもらえたと思います。
一般社団法人 キャンナス東北
こちらは全国ボランティアナースの会が主催する団体です。わたしは、看護師としてこちらのボランティアに参加しましたが、職種を問わず ボランティアを募集しています。
看護師としては、仮設住宅に今も住む被災者の方たちの健康相談や個別訪問を行いました。コミュニティハウスとして、サロン活動も行っていて 被災者の方達の談話のスペースとして活用したり、その中で手芸教室や食事会を通してデイサービスのような支援を行いました。
もしかしたら 医療職者のボランティアに限ったことかもしれませんが、わたしが参加した中では 唯一の有償ボランティアでした。お給料に加えて、交通費もいただきました。
NPO法人 青空保育たけの子
NPO法人で運営している野外保育が中心の保育施設で、震災前に設立され 福島市を中心に保育活動を行なっていました。もともと、子どもたちが自然の中で豊かに遊び活動し、人として大切な五感を磨き、生きる力を育み、その子らしくて成長していくことを見守り、その子どもたちを取り巻く大人も子どもと共に成長することを理念としていましたが、震災以降は 放射能の影響で屋外での保育が困難になってしまったため活動拠点を山形県米沢市に移して保育活動を続けています。
震災によって、屋外で遊ぶ楽しみを失ってしまった福島の子どもたちが のびのびと外遊びができる 青空保育たけの子は本当に素敵な場所でした。ボランティア活動では、子どもたちと一緒に昼食を準備したり、外遊びを楽しんだりしました。わたしも、子どもを授かることができたら こんな保育施設に通ってほしいなぁと思える素敵な場所でした。
まとめ
東北大震災から5年以上が経っていて、メディアでも震災のことが報道されることがなくなってきたタイミングで決めたボランティアへの参加。何かできる事がまだ残っているのかな?という気持ちもありつつ、まずは現地に行ってみないとと思い 東北で1ヶ月間居候させてもらうことになりました。現地に行ってみて、震災による被害は ちっとも終わっていなくて まだまだボランティアとして出来ることが こんなにたくさんあるんだと感じました。
たった1ヶ月のボランティアへの参加だったので、ボランティアのボの字もわからないままでしたが、ボランティアは とても奥が深いということ 東北の人と人との繋がりも深いということを肌で感じる経験ができました。